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GIBSONから12弦のレスポールが登場

 GIBSON Les Paul Traditional 12-Stringは、トラディショナルなレスポールとしての仕様をもつ12弦ギターである。
 ギブソンの12弦エレクトリック・ギターはこれまで非常に珍しい存在で、レスポールモデルの場合、スラッシュがギブソンのカスタムオーダー品として所有している(別冊『THE GUITAR 8』にも写真を掲載)。レスポールに限らず12弦エレクトリック・ギターとしてはダブルネックのEDS-1275や60年代の一時期に生産されたES-335の12弦モデルもあり、姉妹ブランドまで幅を広げるとエピフォンからはブランコ・テイルピースを使用した12弦レスポールが発売された事もある。しかし、ギブソンのカタログ掲載されるモデルとして“12弦仕様のレスポール”が生産されるのは今回が初めてであり、ファン待望の12弦のレスポールといえる。

LP12_straight.jpgのサムネイル画像▲GIBSON Les Paul Traditional 12-String
価格=291,100円

 ライブステージにおける『ホテル・カリフォルニア』や『天国への階段』などの演奏はSGをモチーフにしたダブルネックのEDS-1275を使って演奏されている。また、他にもロックの名曲には12弦のエレクトリック・ギターで演奏される曲も多い。しかし、今、楽器店の店頭を見る限り、“12弦のエレクトリック・ギター”はほとんど見かけない(リッケンバッカーの360-12は12弦エレクトリックの代表モデルだが、複弦の張り方が一般的な12弦とは異なる(複弦の太い弦が上になる仕様))。楽器は本来表現のツールである以上、市場は小さくても、プロの演奏に耐えるスペックを持った12弦のエレクトリック・ギターは必要とされる。
 そんな市場にLes Paul Traditional 12-Stringがリリースされたのことは、ファン待望の登場といえる。


  Les Paul Traditional 12-Stringは、レスポール・トラディショナルを基に12弦仕様に設計されたギターである。
 まず、6弦のレスポール・トラディショナルは、メイプル・トップ、マホガニー・バック、マホガニー・ネック、ローズウッド指板、2つのハムバッキング・ピックアップ、2ボリューム/2トーンといったレスポールの王道的な仕様であることが特徴だ。
 このLes Paul Traditional 12-Stringでも、基本性能を踏襲している。しかし、12弦モデルにするにあたって、様々な部分で仕様変更がされており、本格的に使える12弦仕様のレスポールとして期待をこめて設計した事がうかがわれる。

■片側6連となったヘッド/ ミニグローバーを採用
 片側に6個ずつペグが並んだレスポールのヘッド。ギア比14:1で、チューニング・キーの定番ブランドであるグローバーのペグのミニ・グローバーを採用。これは、チューニングの安定に必要な機能を持ったまま小型/軽量化されたチューニング・キーである。
LP12_head.jpg▲ヘッドの“ Gibson”のロゴ、“Les Paul”のデカールとアジャスト・カバーの“Traditional”の文字がファンには嬉しいだろう。

LP12_PEG.jpg▲ペグにはミニ・グローバーを採用。小型のボタンであるため、片側に6連の配置が可能。また、重量もやや軽めである。12個も装備するため、1個のわずかの軽量化がヘッドパランスに大きな影響を与える。


■ネックの幅がやや広く設計されている
 6弦のレスポール・トラディショナルのナット幅は約43mm(=1 11/16インチ)であるが、12弦化に伴い約4.45mm(=1.75インチ)のナット幅となった。
アコースティック・ギターの12弦ギターのナットは、もっと幅広いのが一般的だが、それより狭く、レスポールとしてはやや広いというネック幅である。
 また、ネックはメイプル材が使われている。ネック厚は“60s Thin”という60年代のギブソンの薄めのモデルを参考にしている。
 独特のグリップであるが、普段ギブソンのギターを手にしているギタリストなら違和感なくプレイ出来るのではないだろうか?
LP12_nut.jpg▲やや広めとなったナット部分
LP12_fret.jpg▲フレットはミディアム・ジャンボのフレットが採用され、ネック厚も薄めなのが特徴だ。

 この記事をご覧いただいている方にとって、最も気になる点は、ネックのフィーリングや重量および重量バランスなどの感覚的な要素だろう。
 まず、ネックは6弦のレスポールよりやや広く、12弦のアコースティックより狭く、厚みはギブソンのエレクトリックの中でも薄めという独特のフィーリングをもつ。しかし、もしネックの幅や厚みを変えた場合には、演奏上の支障、強度の問題、ヘッドの重量バランスの不具合など様々な問題が発生しがちになる。その意味で、本機のネックグリップは12弦のエレクトリック・ギターとして適正なものと感じた。
 また、12弦ギターは、ヘッドのペグが12個、さらに木製のネックそのものの質量の増加が原因で、ヘッドが下がりがちである。しかし、本機では、意外にも重量バランスは決して悪くない。レスポールは元来ボディ部分が重いため、その結果、ヘッドが下がりにくかったということだろう。実際に、総重量の重さはそれほど演奏の支障になりにくいが、ヘッドが下がってしまうバランスの悪さは演奏の支障になりやすい。


■このモデルのためにモディファイされた特製ブリッジ
 楽器のキャラクターを決める上で、ブリッジは大変重要な要素であり、チューニングの面でも精度が求められる。本機には、チューン-O-マチックのブリッジを12弦用にモディファイしたものが使われている。
 ブリッジ部分は削り出しによる特別なブリッジが搭載された。テイルピースも12本の弦を2本ずつ、6コースにまとめるスタイルで設計、加工されたものを使用している。
LP12_bridge.jpg▲12弦仕様となったブリッジ
LP12_bridge_2.jpg▲テイルピースは弦のボールエンドが2つずつ入るように独特の形状となっている

■ピックアップには'57クラシック / '57クラシック・プラス
 ピックアップにはネックが'57クラシック / ブリッジに'57クラシック・プラスを採用。これらは6弦のレスポール・トラディショナルと同じ、アルニコ2のマグネットを使ったピックアップである。
LP12_PU.jpg

■カラーは3色
 今回、試奏したモデルはエボニーのモデルである。他にへリテージ・チェリー・サンバースト(クラスAのトップ材を使用)、ゴールドの3色がラインナップされている。


 今回、ギブソンの中核のブランドであるGIBSON USAのレスポールを基にした12弦ギターがリリースされたことは、ライブやレコーディング必要に迫られるプロ・ギタリストやクリエイティブなギタリストにとって待望の一本といえるだろう。

■GIBSON Les Paul Traditional 12-String
価格=291,100円(専用ハードケース付)

 

Top Maple
Back Mahogany
Neck Maple
Neck Profile '60s Thin
Finger Board Rosewood
Tuners Mini Grover
Bridge Tune -O- Matic Style-Notched
Tail Piece 12 Strings Stop Bar
Pick ups  
(Neck Position) '57 Classic (Alnico 2)
  '57 Classic Plus (Alnico 2)
Control 2 Volume / 2Tone

 

            

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