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レヴィース・ストラップ ハーヴィー・レヴィー副社長

 カナダで高品質なギター用ストラップを数多く製作しているブランド、レヴィース。製品の品質も然る事ながら、ラインナップもバラエティに富んでおり、日本での愛用者も多い。今回レヴィース社より、副社長兼デザイナーのハーヴィー・レヴィー氏が来日。ギター・ストラップ製作におけるこだわりを訊いた。

heavey_levy2012.jpg▲Harvey Levy
LEVY'S 副社長


 

 会社が設立されたきっかけを教えてください。
 会社そのものは1973年に、弟のデニスが立ち上げました。設立当初はギター・ストラップは作られておらず、時計のバンドやベルトなど、一般的な革製品を製作していました。ギター・ストラップが作られるようになったのは79年からです。
 なぜギター用ストラップが製作されることになったのですか?
  私自身がギター・プレイヤーで、カントリーのシンガーソングライターとして当時バンドを組んでいたんです。その際、弟が私の所属しているバンドのために革製のギター・ストラップを作ってくれたのが始まりでした。それが78年の出来事です。そのことがきっかけとなり、翌79年に私が正式にレヴィース社に入社して、本格的にストラップの製作が始まりました。
 ストラップの取扱いを始めた当初は、どのように製作していたのでしょうか?
 ベルトなどの革製品を取り扱っている中で、当時はすべて手作業で縫っていました。そこからいかに生産量を増やせるか、というところに最初の難関がありましたね。


 工場は会社の設立当初からカナダにあったのですか?
 はい。現在工場はカナダ国内に2つあり、ノヴァ・スコシアとウィニペッグに建てられています。会社が立ち上げられた73年当初からあったのがノヴァ・スコシアの工場で、ウィニペッグの工場は75年から稼働しています。
 製品の種類別に生産する工場を分けているのですか?
  いいえ、2つの工場では同等の製品を並行して作っています。基本的に、種類やカテゴリで工場を分けるということはしておりません。ですがやはり、最初に立ち上げたノヴァ・スコシアの工場の方が、当時から勤務しているベテランの職人が多いので、手の込んだ製品や高額なストラップを手掛けることが多いですね。

Levys_factory1.jpgLevys_factory2.jpg▲本革は非常に大きな皮革からカットされている。また、カットマシンはコンピュータで制御されたもの。精密な加工が可能だ。

Levys_factory3.jpgLevys_factory4.jpg▲縫製や検品は手作業に負う部分が多い作業だ。ストラップは“工業品”というより、“工芸品”と言うべき製品と言える

 

 


 レヴィースのストラップはファッショナブルなものが多いですが、それはどうしてですか?
  78年に弟に初めてギター・ストラップを作ってもらったとき、私はストラップを身に付けて鏡の前に立ち、見た目をチェックしました。バンドマンとして、見 た目は非常に大事だと思っていたからです。そのような自分自身の経験もあり、私はギター・ストラップはまずルックスを重視しています。ストラップは、ただギターを下げるためだけの道具ではありません。いろいろなデザインが重要であると考えています。
 なるほど。では、アーティスト・リレーションなどは行っていますか?
  オフィシャルには行っていないのですが、15年程前にU2のジ・エッジのために無料でストラップを製作したことはあります。特にアーティスト・リレーショ ンとして彼のモデルを作ったわけではなく、彼にとって使い心地の良い製品を試行錯誤したという感じです。それ以降はそのようなことは特別していません。ス ティングやポール・マッカートニー、エリック・クラプトン、BBキングなど名立たるアーティストの皆様には、こちらから薦める前にすでにご使用いただいて います。


 ストラップの機能面についても伺いたいのですが、ギターのエンドピンを通すピンホール周りの縫製がとてもしっかりしていますよね。これはギターの落下を防止するための工夫だと思うのですが、その他にもピンホール部分に工夫やこだわりがあれば教えてください。
  革ではない柔らかい素材の場合は、このピンホールを少し小さめにしています。また、落下しないよう内部に素材をラミネートして厚みを増し強化するといった工夫もしています(※写真1)。革ですと厚みもありますので、ピンホールは大きめですね(※写真2)。ギターによってエンドピンの形状が違いますが、サイズが大きくホールに入らないときは、縫い目の部分に若干余裕を持たせてありますので、ハサミで切って穴を広げることも可能です。革製品のピンホールは最初は少し固いのですが、何度か使っていくうちに馴染んでいきます。

levys_Pin_hole.jpg▲写真1 / 撮影用に柔らかい上部素材をまくり上げた写真。ピンホールの内側に硬い素材をラミネート。レヴィースでは落下防止に最善の構造を採用している。

 

StrapPin_Levys.jpg▲写真2 / 異なる素材のピンホール部分の実例。中央のストラップ素材のピンホールに比べ左右のストラップの方がピンホールのサイズが大きい。また左と中の2種はピンホールの外周まで縫製してあり、この縫製の範囲内で自身のギターのピンに合わせスリットを切ることができ、脱着をしやすくできる。


 レヴィースのストラップは幅も広めに作られていますね。
 幅のレギュラーサイズは2.5インチですが、少し大きな3インチや、稀に2インチの製品もあります。お客様の声を聞いて考慮した、使い心地の良いサイズです。

levy's_Size.jpg▲写真3 / 2インチ、2.5インチ、3インチと幅が異なるストラップを並べてみた。ギター/ベースの重量や自身のファッションセンス、プレイスタイルなどに合わせて選べるのがレヴィースの魅力のひとつだ。


 数々の製品がラインナップされていますが、新製品が誕生する経緯を教えてください。
  専門のデザイナーが私を含めて5人おり、皆でアイデアを持ち寄って話し合いを重ね、製品化をしています。毎年ラスベガスや香港、パリ、ニューヨークなどで 行われるファッション・ショーに足を運んでいるのですが、そこで得られるアイデアはとても役立ちますね。デザインのアイデアが固まったら、そこから素材や 幅、調整方法などの細かな仕様を決め、まずサンプルを作ります。それを他のデザイナーに見せ、相談します。ボツになってしまうこともありますが、そういった協議をデザイナー同士で重ねることは、製品化において非常に重要な要素であると考えています。
 数多いラインナップの中でも、特にハイエンドなギターにオススメのストラップを教えてください。
 MSS-2(写真4/価格=10,290円)はいかがでしょうか。本革製のスタンダードなストラップで、シンプルかつ高級感のあるルックスに、ソフトな触り心地が特徴です。ハイエンドなギターにもマッチすると思います。

MSS2.jpg▲写真4 / MSS-2(価格=10,290円)


 最後に、良いストラップを選ぶコツを教えてください。
 安全性と付け心地を重視することが選ぶコツだと思います。幅のサイズや素材、デザインは個々の好みですね。我が社の製品のモットーも、安全性と心地よさですので、ぜひ店頭などで見てみてください。

 

本稿は月刊『Player』2013年1月号「Behind The Scenes」にテキストを加筆、写真を追加したものです。

 

            

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